私が、友達と美味しいミカンの話で盛り上がっていた時のことです。
私の友達が、遠い目をしながら言いました。
あれは、昔々、わしが、前の仕事の時、宅急便やネットショップなどがなかった時のことじゃった。
わしの働いていた会社が北海道に新しく支店を出すことになりました。
新しい支店ができたのだからお客さんにこの会社のことを知ってもらわなければいけません。
支店の開店祝いでお客様に地域の珍しいお土産をもって営業に行ってはどうかとのアイデアが出ました。
さて、お土産と言っても何を持て行ったらいいのでしょう。
悩みどころです。
本社は、関西の会社でした。
各県の支社に各地元のお土産にする特産物の調査をすることにしました。
本社からわしのいる愛媛県松山市の支店にもお土産にする特産物の調査が来ました。
そこでわしは言いました。
水道の蛇口からみかんジュースが出るといわれるミカン産地の愛媛県なのでみかんをお土産にしたらどうでしょう。それもただのミカンではなく「いよかん」にしたらと提案したのです。
当時でも、「いよかん」といえば愛媛県の昔の呼び名である伊予の国の「伊予」を名前に付けたブランドミカンです。
すると松山支店の支店長もそれはいいアイデアだと採用して本社に提案しました。
すると、いろんな支店から提案があった中で愛媛県の松山支店の「いよかん」にお土産が決まりました。
支店長の命令で言い出しっぺのわしは、農協に行って「いよかん」を注文して北海道の支店に「いよかん」を箱で買って送ることになりました。
開店のあいさつに北海道の支店では、営業マンが「いよかん」を一つづつ持ってお客さんのお宅を訪問です。
なんとなんと、肝心の商品より、「いよかん」が大評判となったのです。
最初に申しました通り当時は、流通も今ほどでもなく、ネットで「いよかん」をたやすく買える時代でもなかったのでとても珍しいフルーツだったのです。
もちろん、珍しいだけでなくとっても美味しかったのは言うまでもありません。
おかげでわしはそれからひと月の間、毎日、毎日、本業をそっちのけで「いよかん」の注文のために農協へ行きっぱなしだったのじゃ。
懐かしいのう。
今は、愛媛にはほかにもおいしいミカンがあふれています。
みかん好きの私は愛媛に生まれてよかったなあと思います。
教えてあげる
みかんジュースが出る水道の蛇口は時々出現する。
教えてください
美味しい特産品
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