走り屋が奇跡のお財布に遭遇した

私の友達は、なんちゃって走りやです。

 

スバルの青いインプレッサWRXに乗っています。

280馬力のすごいやつです。

 

休みの日には、山道を攻めに行きます。

 

その日も今日の走りに備えてセルフのスタンドでガソリン満タンです。

 

いつものように近くの山に行ってガンガン攻めました。

 

気持ちよく走って喉が渇きました。

「コーヒーでも飲もうかな」

自動販売機の前で車を停めました。

 

小銭を出そうと財布を探しました。

「あれ」

財布が、ありません。

 

「きっと、さっきのガソリンスタンドで忘れたんや」

やってしまいました。

 

財布をなくしてしまいました。

 

いい走りをしてさっきまで、上機嫌でした。

天国から地獄とはこのことです。

ガッカリです。

「あ～あ」

と肩を落としてすっかり落ち込んでしまいました。

 

「コーヒー飲めないな」

それより、お財布でしょ。

 

お給料の後でたくさんお金が入ってたんじゃないの。

カードもいろいろ入れてたでしょ。

 

「カードの再発行の手続きとか面倒だな」

嫌な気持ちと、ショックで圧し潰されそうになります。

何だか胃が悪くなってきました。

 

「もうだめだな」

振り返って車のトランクの上を見ました。

 

「あれ、あれれれれ」（これ、コナン的表現です）

スポイラーに何か引っ掛かっています。

 

「もしや」

そうです。

 

なくしたと思った財布が車のトランクの上でスポイラーに引っ掛かっていたのです。

「やったー」

地獄から天国です。（こんな使い方はあまりしないな）

もし、言うなら、

地獄に仏です。

 

「あんなに攻めたのに落ちなかったなんてすごい」

正に奇跡の財布です。

 

良かったね。

 

でも、攻めたと言いながらそろそろ走ってんじゃないの。

 

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奇跡はときどき起こる

 

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